昨日母からもらった電話で聞いた話なのですが。
父は認知症で母が家で面倒を見ています。
老人2人暮らしです。
週3回通っていたデイサービスですが、コロナの影響で今週から行くのをお休み中。
「家でみられる方は、家でお願いします」とのことと、母としてもそこで感染するリスクがあるかも…と考えたようです。
沢山の人が集まる場所ですしね。
ただ、家にいることは安全である一方家に閉じこもることで体を動かす機会はどうしても減ってしまいます。
きっと運動不足になるだろうから
「すぐ近所、ぐるっと散歩ぐらいなら、お母さんついて歩いてあげたら。太陽浴びるの良いことだよ」
と母に言っていました。
ちなみに、父はこれまでに2度行方不明事件を起こしているので、一人では外に出せません。
そして先日、すぐ近くの郵便局に用があるので母は父も一緒に行くか聞いたところ
「行く」との返事。
ついでにこれまた近くのお店で買い物しておこうと、少しだけ足を延ばしたそうです。
買い物を終えて母は車の付いた引っ張る形のカバンに買った物を入れ、
家に向かって父と歩いていたそうです。
その歩いている途中で父が体のバランスをくずし、前に重心が行くもそれを自力で支えられず転倒。
杖を持って歩いていましたが、それでも支えられなかったようです。
手をつく間もなく前に倒れ、メガネは壊れ、顔面から地面に。
もちろん自力で立ち上がれるわけがなく、母も起こそうとするのですがこちらも老人。
男性一人を抱え上げられるほどの力はありません。
住宅街でそれほど人通りのある所ではなく、どうしようか…となっているところに
若い女性が通りがかり、手を貸してくれたそうです。
なんとか起き上がらせて一旦その場に座らせ、
その女性の方は
「救急車呼びましょうか?」
と言ってくれたそうですが、父の意識はしっかりしており
なんとか歩けそうというのでその方の肩を借りて母と一緒に抱えるように家まで帰ったという事でした。
家の門の段差を登らせるのも大変で、結局玄関の上がりかまちの所まで
その女性は手伝ってくださったとか。
整骨院で働いてらっしゃる方だったそうです。
高校生にも見えるぐらい若い方だったとか。
通りがかりで、けっして暇にしていたわけではないと思います。
通り過ぎようと思えば通り過ぎられただろうと思います。
でも、立ち止まって家に上がるところまで手を貸してくださった。
本当に感謝でしかないです。
巷では、コロナ騒動に乗っかって詐欺まがいの電話やメールをよこす輩が出てきていると聞きます。
人の弱みに付け込んで自分の利益しか考えないような、そんな人もいる一方、
今回助けてくださったような素晴らしい人もいるのだということ。
たまたまとはいえ、そんな素晴らしい方がそこを通りがかってくれた偶然。
父も母も運が良かった、ついてた。
この”ご恩のバトン”、どこかで誰かに回していけたらという気になりました。
そして、その親切にしてくださった女性の方。
本当にありがとう。
そんなあたたかい心を持ったあなたの未来は
きっと素晴らしいものになるはずです。
いや、絶対ならなきゃ…おかしい!
そうなることを、私は心より願っています。
ありがとう。